「白髪を抜くとハゲる」は本当か?
「白髪家系はハゲない」と同じくらい話題になる「白髪を抜くとハゲる」という話。このウワサは本当なのでしょうか?
結論は、
「白髪を抜くと(黒髪を抜くよりも)ハゲる」ということであれば
ウソ!
※ただし、髪を抜くことはハゲの原因になります!
「なぜ白髪になる?」での解説のとおり、髪の色素(メラニン色素)生成する色素細胞(メラノサイト)と髪の毛の元となる毛母細胞の働きには関連性がありません。ですから、「黒髪と白髪、どちらを抜いた方がハゲやすい」ということはないのです。
ただし、黒髪・白髪に関係なく、髪の毛を抜くということはハゲの原因になる可能性があります。
まず、ヘアサイクルを無視して休止期でない成長期の毛髪を抜くとことは、頭皮を傷つけ毛根にもダメージを与える事になります。頭皮が傷つくと、場合によってはそこから炎症を起こし、周辺の毛髪の脱毛も促進させる可能性があります。さらに、ダメージを受けた毛根は正常に毛母細胞分裂ができず、再び発毛しない場合もあります。
また、本来予定されていなかった発毛にも養分供給が必要となり、頭皮に運搬された栄養分が分散され、毛髪全体の発毛にも影響を及ぼすことが考えられます。
「白髪を抜くとハゲる」はウソですが、毛髪全体の育毛を考えるのであれば、白髪が出てきても抜かない方がよいでしょう。
では、「白髪は抜くと増える」は本当か?
ハゲとの関連性とは少しずれますが、「白髪は抜くと増える」というのも良く言われますね。こちらも学術的な根拠は立証されておらず、白髪を抜いたからと言ってさらに白髪が増えることはないと言われています。
しかし個人的には、全く影響がないことはないのではないかなと思っています。
通常、毛髪が抜けると、毛根部分の毛母細胞とメラノサイトも同時に頭皮から消失します。そしてまた新たな髪の毛を生成すべく毛母細胞の分裂が始まり、メラノサイトがメラニン色素を生成します。
白髪の脱毛の場合、メラノサイトはすでに活動してないので問題ないですが、毛母細胞は新たに活動を開始する必要があります。毛髪生成に必要な三大栄養素として「タンパク質」「ビタミン」「亜鉛」があげられうのですが、実はタンパク質やアミノ酸はメラニン色素生成にも必要な栄養素なのです。
つまり、意図せず必要になった発毛養分によって、色素生成に必要な養分が不足する可能性があるのではないかということです。
約10万本ある毛髪の中で、1本の発毛に必要な養分の影響などほぼないとは思いますが、理屈としては影響は0ではありません。これは僕の考えなので根拠はありませんが、まあ、白髪を抜いても黒髪が生えてくるわけではないので、あえて抜く必要はないでしょう。
といことで、白髪に関する2つのウワサについて解説してきました。どちらも医学的に100%解明されたわけではありません。ですが、ハゲを気にするにしても白髪を気にするにしても、白髪を抜いたところで事態が好転するわけではありません。生えてきた白髪はありがたくそのまま残し、今できる育毛対策を行っていきましょう!